200677

沖縄市長 東門美津子 様

泡瀬干潟を守る連絡会 共同代表

内間秀太郎  小橋川共男  漆谷克秀   

 

東部海浜開発(泡瀬埋立事業)について(要請)

 

貴職におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、東部海浜開発(泡瀬埋立事業)について、私たちは519日に、「工事中断」等の要請を行いましたが、今日までその要請が叶えられておりません。

泡瀬干潟・海域の2006年度埋立事業施工平面図(予定)(別添資料、事業者提供)によれば、今年度の工事は、C護岸の延長(国工事、県工事)、仮設道路(橋梁)先からのD護岸・イ中仕切り護岸の建設、仮設航路の浚渫等となっており、泡瀬干潟・海域にとって大きなダメージを受けることは必至です。特にC護岸の延長工事によって、私たちがWホットスポットと呼ぶ場所(新種ホソウミヒルモの発見地、深場のコアマモモ生息地、スイショウガイの群生地、新種リュウキュウズタの発見地、スギノキミドリイシ・リュウキュウキッカサンゴの生息地)が壊滅することは明らかです。また、D護岸の工事は被度50%以上のガラモ場(新種の可能性のあるカラクサモク、日本新産のウミウチワ属の1種、カギケノリ等の海藻藻場)の消失につながります。仮設航路の浚渫場所は、新種の可能性のあるニライカナイゴウナ・絶滅危惧TB類トウカイタママキ・絶滅危惧U類フジイロハマグリの生息地、浅場でのウミエラ生息地で、きわめて貴重な細砂性浅海底です。

私たちは、今年度の工事によって泡瀬干潟・海域の貴重な場所(沖縄市の貴重な財産)が消失することをそのまま看過することは出来ません。市民も埋立見直しを求めています。(沖縄市役所ロビー・泡瀬干潟写真展での市民アンケート結果、別紙)

市長は、沖縄市議会で、今年度再開される事業については、「現時点でストップさせることは考えていない。国・県と話し合い、検討委員会を設置して市民の意見を広く聴取して結論を出していく」(「琉球新報」73日報道記事)と答弁しています。また、「検討委員会は8月頃に立ち上げたい」と議会で答弁しています。この状況が推移すれば、検討委員会が結論を出す頃には、工事の影響、潮流、自然環境の激変で泡瀬干潟・海域は取り返しのつかないダメージを受け、回復不能の状態になっている可能性が極めて高いことが予測されます。そのようになってから判断しては、遅いのです。「検討委員会の結論が出るまでは、現状維持をしておく」のが今、求められている判断なのではないでしょうか。

将来に悔いを残さないため、「世界の宝」を子々孫々まで残すために、市長の英断を期待し、次の要請をいたします。

 

要請

 

1.        検討委員会の結論が出るまで、工事中断を国・県に要請すること。

2.        泡瀬干潟・海域をラムサール条約登録湿地に申請すること。

3.        先の要請(東部海浜開発局・HPの検討、推進協議会からの離脱、ロビーでの広報の改善等)を実施すること。

4.        「公金支出差止等請求事件」訴訟への沖縄市準備書面(原告への反論等)を市長の責任で提出すること。

以上