事業者、サンゴの一部を移植、その経過、問題点    泡瀬干潟を守る連絡会

 私たちは、泡瀬干潟埋立事業に反対し、国・県・沖縄市にサンゴの保全を何度も要請してきましたが、

「埋立地内のサンゴは被度が10%未満であり、保全の対象ではない」としていました。ところが、事業者は、

1028日〜115日にかけて、生息しているサンゴのごく一部(976uの一部128u)を、「沖縄市

中心になって」一部を移植しています。この移植は、私たちの粘り強いたたかいの成果ではありますが、多

くの問題を抱えています。経過と問題点を明らかにしておきます。

 

(付記:115日の浚渫土砂投げ捨て緊急抗議集会のアピール文に、このサンゴの移植を「国・県の責任でその

サンゴを保全すべきであるのに、専門家の指導助言も得ることなく、埋立事業をしていない沖縄市に依頼してサンゴの

1部を移植したことは、責任逃れであり断じて許されません。」と記したところ、事業者が「嘘を書いている、沖縄市が主体的

に行ってきた、サンゴの専門家山里氏の指導助言も受けた」といっています。それで、ここでは「沖縄市が中心になって」と

表現を訂正します。

しかし、このことは、逆に、国・県が埋立地内のサンゴの保全に積極的に取り組むことをせず、これまで「環境に最大限配慮

して」事業を行ってきたと言っていたことが、嘘であったことを証明しています。また、このことは、事業者の責任で保全すべ

きであるのに、アセスで「保全の対象ではない」と言って来たので、今事業者が移植したら、国の責任が追及されることから

逃れるためであることも明らかにしておく必要があります。サンゴの専門家山里氏の指導助言については、下記の問題点に

記してあります。)

 

T.これまでの経過

1.                        事業者は、アセス書で埋立工事区域内のサンゴは10%未満であり、保全の対象ではない、としていた。また、

西防波堤北西部(現在のヒメマツミドリイシ生息地)はサンゴが生息しない、とアセス書に記載されていた。

2.                        泡瀬干潟を守る連絡会は、独自の調査で、一期工事区域内にサンゴが被度10%以上、面積550u以上生息して

いること、西防波堤北西部に被度50%以上、面積2500u以上のヒメマツミドリイシが生息していることを明らかにし、

アセス書の記述は間違っている、サンゴ保全のため工事を中止せよ、と要請してきた(05518日)。

3.                        事業者は、私たちの指摘を無視することが出来ず、055月〜6月に調査しその結果を次のように発表している。

(ア)  一期工事区域内のサンゴは、スギノキミドリイシ・リュウキュウキッカサンゴ・ホソエダミドリイシ・オヤユビミドリイシ・ヤッコアミメサンゴなどで、面積

871uである。

(イ)  西防波堤北西部にはヒメマツミドリイシが生息し、面積は29,360uである。

4.                        事業者の調査結果は、私たちの指摘が正しかったことを明らかにしている。私たちは、それを踏まえて、事業の

中止を訴えてきたが、事業者は工事を推進し、07年度工事で一期区域の護岸が完成し、サンゴが閉じ込められた。

U.問題点

1.                        埋立事業は、国・県の事業であり、その責任でサンゴを保全すべきであるのに、「沖縄市が中心になって」移植した。

これは、環境監視検討委員会や環境保全・創造検討委員会で「1期工事区域のサンゴは保全の対象ではない」といってきた

ことから、国・県が移植すれば、その責任を追求される(アセスの不備を追求される)ので、それを逃れるために、

埋立事業者でない沖縄市が中心になって行ったものと思われる。

2.                        環境監視検討委員会や環境保全・創造検討委員会では、サンゴの移植は、一度も議論されたことは無かった。

3.                        沖縄市は、「サンゴの専門家の指導助言を得た」とし、山里清氏の名を上げているが、何時、何処で、どのような指導

を受けたのか、その実態は不明である。また、協力した業者に山里氏の関係者がおり、問題点もある。移植に使われた

費用は誰が出したのか、今後のモニタリング費用は誰が負担するのか等も不明であり、解明されなければならない。

4.                        サンゴの採捕は「研究のため、ごく一部」が許可されるが、今回は128uの規模であり、沖縄県漁業調整規則を逸脱

していると思われる。

5.                        僅か13%が移植されただけであり、残り87%は生埋めである。

6.                        移植された場所は、移植適地であったのかどうかも疑問である。

 

 

次は、国(沖縄総合事務局)発行の「泡瀬・美ら島」(平成201117日)に掲載された沖縄市のサンゴ移植の資料です。(一部掲載)

連絡会コメント:上図の「移植するサンゴ」をご覧下さい。このサンゴを事業者(国・県)は「保全対象ではない」

としてきました。このサンゴの一部を沖縄市は移植しましたが、沖縄市は「保全対象でないサンゴ」を移植したの

でしょうか? また事業者(国・県)は「保全対象でないサンゴ」の移植に何故協力したのでしょうか?

連絡会コメント:沖縄市は「移植したサンゴは順調に生育している」といっています。移植して、

ほんの34ヶ月です。「順調」かどうかは、

半年〜1年後判明するでしょう。私たちも毎月モニタリングしています。「順調」であることを期待

しましょう。

 

次の写真は、200928日の移植サンゴ調査(泡瀬干潟を守る連絡会、ジュゴンネットワーク沖縄、

沖縄リーフチェック研究会)の一部です。

東防波堤のネット法のスギノキミドリイシの比較的よいと思われるもの2点、悪いと思われるもの2点です。

比較的「順調」なもの

このまま元気で、増殖してほしいですね

密に植えたはずが、いまは疎らに。流された?

あるいは、最初から疎らだった?

カゴメノリが覆っていました。光とどいているか?

褐虫藻は生きられるか?