2017年1月13日
沖縄総合事務局 局長 能登 靖 様 開発建設部 部長 成瀬 英治 様
港湾技術指導官 三島 理 様 港湾計画課 課長 坂本 渉 様
泡瀬干潟を守る連絡会 共同代表 小橋川 共男 漆谷 克秀
連絡先:沖縄市古謝津嘉山町43−1
前川 盛治(電話:090-5476−6628)
国・浚渫土砂・揚土工事の中止(要請)
私達は、別紙「記者会見」に示すように、国浚渫土砂揚土工事が泡瀬海域を汚染している事を明らかにした。
詳細は、別紙:記者会見及び添付資料をご覧ください。概要は下記(1〜4)です。
1.2016年12月10日の私たちの濁り・汚濁調査で、国浚渫土砂揚土工事周辺(No.6)で、汚濁の値が他の調査地点や同地点の2015年度調査に比べ、高い値(FTU 3.4度・ホルマジン)を示した。
2.同地点の濁り(SS値)は、6.4であり、異常値ではないが、汚濁(FTU 3.4度)が高い値を示している。
3.国浚渫土砂揚土工事は、2015年度までは、汚濁防止膜を展張し、工事周辺を囲っていたが、2016年度工事では、汚濁防止膜で工事周辺を囲っていない。汚濁の値が高いのは、汚濁防止膜で囲っていないことが原因と思われる。
4.国浚渫土砂揚土工事が、泡瀬干潟・浅海域を汚染していることが明らかになった。
つきましては、下記の要請をいたします。真摯な対応をお願い致します。
要請
1.
汚濁防止膜で囲わない国浚渫土砂揚土工事が、泡瀬海域を汚染していることが明らかになった。国浚渫土砂揚土工事を直ちに中止すること。
2.
国は、国浚渫土砂揚土工事周辺の海域の「汚濁」調査を実施し、その結果を公表すること。
2017年1月13日(金)、午後4時半からの国要請行動結果(国の回答) 泡瀬干潟を守る連絡会まとめ(前川まとめ) 1.今回の調査(2016年度)のSt.6の海域で、汚濁防止膜で囲まずに浚渫土砂揚土工事をしたことは事実です。 2.今回の調査のSt.6の海域では、昨年は汚濁防止膜で囲って工事をしたことも事実ですが、その工事は、護岸の工事であり、浚渫土砂揚土工事ではありません。揚土工事は、St.6の南側、現在県工事のN0.5の近くで、汚濁防止膜の外側で行っています(注 記者会見の資料 調査地点地図を参照、地図の×の印の右側)。浚渫土砂揚土工事は、汚濁防止膜で囲って行う約束にはなっていません(海洋を汚染しない)。 3.したがって、汚濁防止膜で囲わずに浚渫土砂揚土工事をしたということは、昨年も今年も同じです。(揚土工事は同じ条件です。) 4.今年St.6の海域で泡瀬干潟を守る連絡会の調査でFTUの値が高かった原因については、泡瀬干潟を守る連絡会が提供したデータも参考に、調査・検討します。 5.国はSSの調査はしており、12月10日の結果では異常な値(SS値11以上)は出ていません。工事を中断することは考えていません。FTUの調査については、専門家と相談してみます。 ※回答を踏まえての泡瀬干潟を守る連絡会の見解、今後の対応 浚渫土砂揚土工事が、昨年と今年で同じ条件(汚濁防止膜で囲っていなかった)であったが、今年St.6のFTUの値が何故高かったのかの原因は分からず、今後の解明が必要である。St.6の海域が汚染されている事実も明らかであるので、その原因を解明することは、今後の大きな課題である。なお、昨年の国浚渫土砂揚土工事の場所(2016年の調査地点のNo.5の地点)の濁りは9・5汚濁は1.31で、濁り9.5は汚染基準値11に近い。 また、2015年の調査では、No.2(県人工海浜工事)は濁り12.4、No.8(国護岸工事)は濁り11.7で基準値を超えている。埋立工事が海洋を汚染していることは明らかである。 さらに、2014年11月2日調査では、濁りの値が基準値11を超えている場所が、4か所(2,4,6,8、調査箇所の半分)もあった。今度(1月13日)の要請は2016年度調査に焦点を絞ったが、過去のでデータを見ると、工事が泡瀬干潟・浅海域を汚染していることは明らかである。 |
記者会見内容 以下 |
2017年1月13 日
マスコミ 各位
記者会見
日時:1月13日(金)、15時〜 場所:県庁記者クラブ 内容:下記
日程:総合事務局要請 13日(金曜日)午後4時30分・予定、沖縄総合事務局(おもろまち) 要請文は別紙
国浚渫土砂揚土工事、泡瀬海域を汚染
2017年1月13日 泡瀬干潟を守る連絡会
泡瀬干潟を守る連絡会は、泡瀬埋立工事周辺の海域の濁り・汚濁調査を2011年度以来実施しているが、2016年12月10日実施の調査で、国・浚渫土砂・揚土工事(新港地区から台船で運んできた浚渫土砂を空気圧送船で埋立地に揚土する工事)が、泡瀬海域を汚染していることが判明した。
私達が実施している調査地点No6(調査地点地図参照)で、汚濁(FTU)の値が3.4であり、この値は、他の地点(No1、2、3、4、5、7、9,10)に比べて高い値が検出された(調査結果、年度別一覧表参考)。この値は同地点の2015年12月13日実施の時の値0.93よりも高い。No6の濁り(SS)の値6.4は、異常を示す値ではないが、汚濁の値が高いのである。濁りの調査結果を写真で示した図(濁り・SS値、結果の写真、田代豊氏提供)で、No6の調査ろ紙がベージュ色になっているが、他の調査地点より色が濃く、海水の濁りが高いことを示している。
No6の地点での国浚渫土砂揚土工事は、2015年度までは、工事周辺に汚濁防止膜を展張し囲っていたが、今年度工事は、周辺を汚濁防止膜で囲わずに行っていることが汚濁の値が異常を示す原因と思われる。他の地点(No1、2、3、4、5、9,10)では、工事の周辺を汚濁防止膜で囲っていた。(汚濁防止膜の展張の様子を、汚濁防止膜展張写真で示す。また、揚土工事の動画写真も示す。)
No6の汚濁(FTU)の値が他の地域より高い値をしめしていることは、今年度工事周辺を汚濁防止膜で囲わずに行っていることが、原因であることは、明らかであると思われる。
私たちは、この調査結果をもとにして、事業者(国・沖縄総合事務局)に別紙のとおり、要請を行う。要請の内容は、下記である。
3.
汚濁防止膜で囲わない国・浚渫土砂・揚土工事が、泡瀬海域を汚染していることが明らかになった。国・浚渫土砂・揚土工事を直ちに中止すること。
4.
国は、国浚渫土砂揚土工事周辺の海域の「汚濁」調査を実施し、その結果を公表すること。
参考に私たちの泡瀬埋立工事周辺の海域の濁り・汚濁調査の概要を示す。
1.工事期間中(10月〜翌年3月)に月1回程度、満潮時に調査地点の海水を取水して専門家(名桜大学、田代 豊教授)に濁り・汚濁の分析を依頼している。
2.調査地点では、天気、風向、風速、GPSデータ、時間、水深、工事の状況、目視での濁りを記録する。(天気、風向、風速、は、気象庁のデータ・沖縄、那覇・中部を記録している。)
3.取水は、海底より1m上の所で行い、2リットルのペットボトルに移して保管する。そして、その日の夕方、田代教授に預け、分析を依頼している。分析結果は数日後受け取っている。出港・帰港は北中城村熱田漁港である。
4.濁りはSS(海水中の浮遊物質の量、r/L)、汚濁はFTU(海水の濁りを表
す。度(ホルマジン))である。
◎調査地点地図
2016年12月10日の調査地点N0.6は、上図の右上 ここは、2015年度は汚濁防止膜で囲まれていた。黄色い線が汚濁防止膜。図の×印の右に空気圧送船2隻が見えるが、汚濁防止膜の外側で工事をしていた。2015年の汚濁防止膜はB護岸下から上に、そしてイ・ニ護岸の所まで繋がっていた。 |
◎調査結果、年度別一覧表
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◎汚濁防止膜展張写真(抜粋、2016年12月10日、No.6 の場所のみ)
2016年12月10日 N0.6 汚濁防止膜なしで行われていた浚渫土砂揚土工事 |
2016年12月10日 N0.5 汚濁防止膜で囲っている県工事。黄色い汚濁防止膜の中。 後ろに3隻の空気圧送船が見える(左の写真) |
◎濁り・SS値、結果の写真、田代 豊教授 提供
上、左から右へ No.1、2、3 中、左から右へ No.4、5、6(SS調査のろ紙の色が濃い) 下、左から右へ No.9、10、11 |