第二次泡瀬干潟公金支出差止訴訟、上告棄却 記者会見 20171027

声明を読み上げる 左から亀山統一、喜多自然、前川盛治、小橋川共男

記者会見終了後、左から、亀山統一訴訟支援する会代表、喜多自然弁護士、前川盛治原告団長、小橋川共男共同代表、屋良朝敏事務局次長

 

声明

 

2017年10月18日、最高裁判所第2小法廷は、原告住民が沖縄県知事と沖縄市長に対し、泡瀬干潟埋立事業に対する公金支出の差し止めを求めた住民訴訟「第二次泡瀬干潟埋立公金支出差止請求事件」について、2016年11月に原告住民の控訴を棄却した同控訴審判決に対する原告住民による上告及び上告受理申立を棄却し、受理しないとする決定をした。

 

この決定は、行政に対する広範な裁量権を認めることを前提に、司法審査を消極的にとどめた控訴審判決を追認するものであり、その結果として、大きな経済的、環境的、災害等のリスクを内包する泡瀬干潟の埋立事業を容認するものであって、到底是認できない不当決定である。

 

同控訴審判決は、行政の広範な裁量権を前提に、知事等の判断は「著しく妥当性を欠く」場合にのみ違法となるなどとして、@需要予測は統計等客観的資料に基づいてなされている、A環境に対しては、その時点における知見に従って「実行可能な」対策がなされている、B予測されている津波の最大遡上高に対しては、避難場所の確保等によって対応することが現実的であること、などを認定して、知事らの裁量権の逸脱・濫用等は認められないとして、原告らの主張を認めなかった。

 

しかし、同控訴審判決が認定した、本件行政判断の前提とされた上記の各事実は、@需要予測の検討に供された資料も十分に検証が尽くされたものとは到底いえず、A環境影響についても、当初の環境影響評価手続の内容は極めて杜撰な調査・予測・評価であり、B将来到来が予想される津波への対策についても明らかな人命軽視と言わざるを得ないものであって、この控訴審判決を是認した最高裁判所の今回の決定も含めて、本訴訟を通じて、裁判所は、司法に委ねられた行政の予算執行の適正や、意思決定の合理性などのチェックをする役割を果たそうとしなかった。

 

泡瀬干潟は、沖縄の多くの干潟が埋め立てられる中でかろうじて埋立を免れてきた沖縄最大の干潟であり、地理的関係や底質の多様さなどから、生物生産性の高さ、種の多様性等、豊かな生態系を維持する貴重な干潟である。

本件埋立事業は、埋立地に観光客等を導入することにより地域経済を活性化する目的のもとに、この貴重な干潟を不可逆的な埋立という方法により失うことになるものであるが、これを追認することになる今回の最高裁判所の決定は、到底許されるべきものではない。

 

原告住民らは、引き続き泡瀬干潟の埋立に反対し、干潟環境の保護保全のために活動を続けることを表明するものである。

 

2017年10月27日

第二次泡瀬干潟埋立公金支出差止請求事件  原告団  弁護団