湿地のグリーンウエーブ2017 IN 泡瀬干潟 報告
2017年4月18日 泡瀬干潟を守る連絡会
概況:約40名が参加しました。親子づれや学校の生徒を連れての参加など、湿地のワイズユースにつながる観察会でした。講師は、これまでは泡瀬干潟を守る連絡会の役員が行っていましたが、今回は、キュリオス沖縄(海の専門家集団)にお願いしてベルアップを行いました。また、今回ギボシムシを観察しようとして新兵器(ギボシムシ吸引ポンプ)を試作して採集を試みましたが、吸引力が弱いなどの為成功しませんでした。次回(8月にも予定)までには、課題を克服して改良作品を造り再度挑戦することになりました。天気は曇りで良い観察日和になりました。会場では、ウミエラ館の屋良朝敏さんが用意した「アーサ汁とおにぎり」もふるまわれました。また、9,400円のカンパもありました。有難うございます。
1.写真紹介
出発前の説明風景 背中は小橋川共男、右側に前川盛治 |
今日のメイン講師の仲栄真礁さん 左側 |
干潟を守る日・宣言をよみあげる桑江直哉さん。生まれたばかりの二男を抱えて大変でした。右は池原秀明、屋良朝敏 |
新兵器、ギボシムシ吸引ポンプ 右下の細長い水道パイプ製 |
新兵器、ギボシムシ吸引ポンプを試す前川盛治 |
干潟入口での海草と海藻の説明 |
泡瀬干潟の特徴につて説明する講師:仲栄真さん。 左は水野隆夫、小橋川共男 |
子どもたちが採集した貝について説明する講師 |
砂茶碗を説明する仲栄真さん。 |
海藻(カゴメノリ)に群がるウミニナ 観察した生きものの写真は、後日(5月13日)のセミナーで紹介するので、ここでは省略します。 |
2.採択した「泡瀬干潟を守る日・宣言」
泡瀬干潟を守る日・宣言
湿地のグリーンウエイブ2017 IN 泡瀬干潟
ラムサール・ネットワーク日本(ラムネットJ)では、国際生物多様性の日(5月22日)を中心とする4月〜7月に各地の団体が実施する自然観察会・生きもの調査・田植え・シンポジウムなどの活動を全国に伝え、お互いが連携し支え合う全国キャンペーン「湿地のグリーンウェイブ」を毎年開催しています。
湿地は、多様な生きものを育むばかりでなく、私たちに食糧やレクリエーションの場を与え、水質を浄化し、貯水機能や緩衝機能により防災・減災にも役立つなど、私たちの暮らしを支えています。しかし、埋め立てや護岸整備、ダム・堰、大規模農業、リニア新幹線など、自然を制圧しようとする流れはますます高まり、湿地の破壊が進行しています。2017年の世界湿地の日のテーマは「湿地と防災・減災」ですが、このテーマにも込められているように、湿地の機能を生かし、自然と寄り添っていくことが、私たちの暮らしを守っていく上でも大切です。そこで、湿地のグリーンウェイブ2017のテーマは、「湿地が守る人びとの暮らし」としました。
ここ泡瀬干潟では、残念ながら埋立工事が強行され、世界に誇る生物多様性の宝庫が失われつつあります。ヒメマツミドリイシ(枝サンゴ)は、消滅の危機にあります。渡り鳥・ムナグロの飛来数も減少傾向です。春の潮干狩りに来る人々も減少しました。泡瀬干潟の劣化が進みつつあります。
しかし、「泡瀬干潟を守れ」の運動の結果、埋立は、1区・2区(187ha)から1区(95ha)のみになり、残された干潟には、まだ懸命に生きている貴重な動植物も多数います。世界に誇るクビレミドロなどもまだ健在です。私たちは、1区以外の泡瀬干潟をラムサール条約の湿地登録にする運動も進めています。現在泡瀬干潟の中の約611haが沖縄県の鳥獣保護区に指定され、そのうち約118haが特別保護区に指定され、2017年11月1日までには、具体的な線引き(鳥獣保護区・特別保護区の区域確定)も行われます。そのことが国(環境省)に報告され、特別保護区が国指定の特別鳥獣保護区に指定されれば、ラムサール条約登録の条件が整い、2018年6月開催のラムサール条約COP13(中東ドバイ)での登録が確定します。
私たちは今日、泡瀬干潟に集い、干潟観察会を行います。この残された泡瀬干潟を子々孫々まで伝えることを共に確認し、干潟を守る日の宣言といたします。
2017年4月15日 湿地のグリーンウエイブ2017 IN 泡瀬干潟 参加者一同
3.沖縄タイムス、琉球新報に掲載された案内
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