09年度泡瀬干潟埋立、「護岸工事」着工に抗議する緊急集会

日時:09520日、午前8時〜9

場所:仮設橋梁前

参加者:約30

状況報告:

 今日の工事着工は、セレモニー的というか、着工しましたというゼスチャー的なものでした。搬入された機材も「小型ユンボが2台」だけであり、大型クレーン車などの搬入もありませんでした。

現場を取材したマスコミの話でも、ユンボで砂を敷き詰めるだけの工事を見せただけのようです。本格的な「工事着工」は、今後行う様子です。

仮設橋梁入り口の沖縄市道の中央分離帯のトンブロックも撤去されてなく、石材搬入・投入、砂の運搬・投入も今日の時点では、確認できませんでした。

「工事着工」しましたよ、ということを示すことが、何を意味しているのか、不可解な国の態度です。

いずれにせよ、「工事は着工された」ことは事実であり、このことに強く抗議し、干潟干潟を守る決意を緊急集会参加者一同、決意を新たにした集会でした。

 

抗議文:

09年度泡瀬干潟埋立、「護岸工事」着工に抗議する

 

国(沖縄総合事務局)は、09年度泡瀬干潟埋立の「護岸工事」を520日から着工するとしている。私たちは、この工事着工に強く抗議する。

 昨年1119日、那覇地裁は泡瀬干潟埋立事業について「経済的合理性はない、今後公金は一切支出するな」の判決を言い渡した。しかし、国は09115日から新港地区FTZの港の浚渫土砂を泡瀬干潟に投げ捨て、サンゴなどを生埋めする暴挙を行った。

これに対し、県内外から驚きと怒りの声が沸き起こり、「泡瀬干潟を守れ」の運動が大きく広がった。これらの状況が影響し、国(沖縄総合事務局)は、09年度の新港地区FTZの港の浚渫・浚渫土砂の泡瀬干潟への投げ捨てを「保留(県・市と相談して対応、工事日程を明らかにせず)」にしている。新聞報道によれば、その理由は、控訴審がある、公共工事に対する厳しい目線がある、沖縄市が土地利用計画の見直しをしている、などとなっている。

 そのような状況からすれば、「護岸工事着工」も当面は「保留」にすべきであり、急いで着工する緊急性、合理性はない。

 最近、埋立工事の影響で、泡瀬干潟・海域で異変が起こっている。@これまで春は、アーサ(ヒトエグサ)で緑のジュータンであった泡瀬干潟からアーサが消えてしまった、A北中城村アーサ養殖場でアーサが激減している、B泡瀬干潟で貝が取れなくなった、C泡瀬干潟の海草藻場が激減した、Dフジイロ砂州が変形・縮小し、運動公園オートキャンプ場地先の砂州が消えている、などである。

 これらの異変の原因について、泡瀬干潟埋立工事の影響が指摘され、北中城村のアーサ激減について沖縄県は原因を解明するなどとしているが、それらの原因が解明されないままで、護岸工事が継続強行されることについては、私たちをはじめ、県民・市民の理解が得られないことは当然のことである。

 那覇地裁の判決は、沖縄県・沖縄市の埋立工事について言い渡したものであるが、「埋立に経済的合理性がない」という判断の根拠には、「国(沖縄総合事務局)の埋立目的・新港地区の浚渫土砂の処分場造成も経済的合理性がない」ことも含まれていると解釈するのが当然である。

 3権分立の民主主義国家において、司法(那覇地裁)が判断したことについては、真摯に受け止め、判決が確定するまでは工事を「中断」するのが、行政のあるべき姿である。国の「護岸工事着工」は、この点でも糾弾されなければならない。

 私たちは世界に誇る泡瀬干潟の埋立工事の強行を許さず、泡瀬干潟を子々孫々まで残し、干潟を活用した街づくりのために一層奮闘するものである。

 

2009520日 「護岸工事」着工に抗議する緊急集会