干潟を守る日2009年 IN 泡瀬干潟

「沖縄タイムス」(09413日報道)

 

「琉球新報」(09415日報道)

採択された宣言

干潟を守る日2009年 IN 泡瀬干潟 宣言

 

 昨年1119日、沖縄県沖縄市の泡瀬干潟埋立事業に関する裁判で那覇地裁は「泡瀬埋立に経済的合理性は無い、沖縄県知事・沖縄市長は今後公金を一切支出するな」という判決を言い渡した。

 しかし、今年115日、事業者(国・沖縄総合事務局)は、泡瀬干潟から4mも離れた新港地区FTZ(特別自由貿易地域)港の浚渫土砂の泡瀬干潟への投げ捨てを開始した。どす黒いヘドロ状の浚渫土砂がエメラルドグリーンの海に投げ込まれる映像は、1997414日の諫早湾のギロチンを連想させ、全国に大きな衝撃を与えた。

 浚渫土砂の投げ捨て場所・第一期工事区域内には貴重なサンゴ群落、海草藻場があり、新種・貴重種・絶滅危惧種が数多く生息し、ラムサール条約登録指定の基準を満たしている生物多様性の宝庫である。「国際サンゴ礁年」であった昨年、11月には、韓国・昌原(チャンウォン)でラムサール条約締約国会議が開催され、東アジアフライウェイの重要性を認識し、加盟国が湿地・干潟保全に一層取り組むことを確認したが、泡瀬干潟への土砂投入は、これらの国際的信義にも反する。

 

 この埋立工事の目的は大きく2つあるが、いずれも破綻している。1つ目は新港地区FTZの浚渫土砂の処分場として使うという国の目的。新港地区がFTZの指定を受けた平成113月から既に約10年が経過しているのに、埋立地の実際の分譲率は僅か2.1%であり、分譲価格を5割引しても分譲が進んでいない。そこにFTZと関連の無いIT産業の誘致も始まっている。新港地区に既にある港・西埠頭も稼働率は7割であり、赤字経営のため県が税金で補填している状態である。FTZ港の浚渫は合理性も緊急性もない。

 2つ目は、沖縄県・沖縄市による海洋リゾート地を造るという目的だが、その構想は既に破綻し、今、沖縄市が土地利用計画の見直しを進めている。現時点で土地利用計画はないのに、埋立事業を進めることは、公有水面埋立法にも違反している。また、沖縄県の事業の目的は「ふ頭用地」造成だが、沖縄市が見直しをしている現時点で泡瀬埋立地に「ふ頭用地」が必要かどうかも確定していない。

 埋立の目的が破綻していることから、司法が「公金支出差止め」を言い渡したのであり、事業者は、工事を一時中断し、埋立事業そのものを抜本的に見直すべきである。

 

 来年2010年には、「第10回生物多様性条約締約国会議」が日本・名古屋で開催される。今、世界各国は、生物多様性の大切さを認識し合い、この地球から消滅の危機にある多くの生物種を保全しようとしている時であるのに、世界に誇る生物多様性の宝庫・泡瀬干潟を埋立てることは、世界の流れに逆行している。

 

 私たちは、今日「干潟を守る日2009 IN 泡瀬干潟」を開催し、今泡瀬干潟で起こっていることを検証し、無駄な公共工事から泡瀬干潟を救うための道を探り、今後の行動を確認した。

 私たちは訴える。

1.国および沖縄県・沖縄市は、泡瀬干潟埋立工事を直ちに中断せよ!

2.国および沖縄県・沖縄市は、世界に誇る生物多様性の宝庫・泡瀬干潟の価値を十分認識し、干潟の保全・再生を根本に、事業計画を早急に見直しせよ!

 

2009年412

       「干潟を守る日2009年 IN 泡瀬干潟」参加者一同